世帯の5割以上が外国人住民という埼玉県川口市の芝園団地では、外国人住民の騒音が日本人住民を悩ませている。同団地自治会の岡崎弘樹事務局長は、「外国人は日本と自国の住環境の違いを理解していない。日本の住宅は足音が響きやすいことを伝えると、トラブルが減りました」と話す。
岡崎裕樹著『外国人集住団地』(扶桑社新書
本稿は、岡崎裕樹著『外国人集住団地』(扶桑社新書)を一部再編集したものです。
外国人住民を「迷惑な隣人」にしないための3つの課題
外国人居住者の集中による様々な生活トラブルから、芝園団地は以前から様々な問題が山積している団地と噂されてきた。筆者が芝園団地に住み始めたのは2014年で、その頃には団地内の生活トラブルはだいぶ落ち着いてきた。とはいえ、日本人居住者にとってはまだ記憶に新しいところであり、外国人居住者は「迷惑な隣人」という先入観を持つ人もいた。 では、外国人居住者は日本人居住者をどう見ていたのだろうか。ある外国人住民はこう言った。
「日本人のお年寄りとは何を話していいのかわからない。
日本人のお年寄りと何を話していいのかわからない」という外国人居住者もいた。
日本での生活に不安は尽きなかったであろうことは想像に難くない。一家は異国で生活することになった。友人の紹介で、収入条件を満たせば、部屋を借りることができるところがあった。大きな建物だったが、住み心地は悪くなさそうだった。外国で働くのは初めてなので、うまくやれるかどうか。また、家族が外国での生活に馴染めるかどうかも心配でした。……
彼らにとっては、まず新生活のスタートである。日本人住民は、異国の地では「見知らぬ隣人」に過ぎない。しかも、高齢者ばかりである。もし、彼らが外国人だったら、何を話していいのか分からないだろう。
日本人の高齢者と外国人の若者は、「見知らぬ隣人」になりがちなのだ。また、隣近所では、お互いの違いが表面化しやすく、「迷惑な隣人」となりやすい。この状況を改善しない限り、日本人と外国人住民の関係構築は進展しない。私たちはそのことを痛感しました。
そこで、現状の問題点を整理し、次の3点に絞り込んでみました。
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[課題1:生活上の問題点の改善
[課題2】両者の出会いの場づくり
[課題3】地域活動をどう広げていくか
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以上のような現状を踏まえて、筆者はこの3つの課題に取り組み始めている。その具体的な活動の一端を紹介したい。
「静かにしてください」では不十分…お隣の外国人住民の生活音をピタッと止ませた”ある呼びかけ”!?