内側Ｓ極、外側Ｎ極という環状磁石はありえる？

輪の形の磁石で、内側Ｓ極、外側Ｎ極にすることは可能でしょうか。
一般的な磁石では、内側S極、外側N極にすることは不可能です。磁石は、内部に微小な磁石（磁子）が規則的に並んでいます。この磁子の向きによって、磁石のN極とS極が決まります。
磁石のN極は、磁子の北向きを指す側、S極は南向きを指す側です。輪っか状の磁石の場合、磁子の向きは円周方向に揃っています。そのため、内側も外側も同じ向きとなり、必ず内側もN極、外側もN極、または内側もS極、外側もS極になってしまいます。
しかし、いくつかの特殊な方法を用いることで、疑似的に内側S極、外側N極のような状態を作り出すことは可能です。
方法1：複数の磁石を組み合わせる
複数の磁石を組み合わせることで、磁場の方向を変化させることができます。例えば、輪っか状の磁石の内側に、小さなS極の磁石をいくつか配置すると、内側がS極、外側がN極のように見えるようになります。
方法2：磁性材料の性質を利用する
磁性材料の中には、磁場によって磁極が反転するようなものがあります。このような材料を用いることで、磁場の方向を制御し、内側S極、外側N極のような状態を作り出すことができます。
これらの方法は、あくまでも疑似的なものであり、真の意味での内側S極、外側N極磁石ではありません。しかし、特定の用途においては、これらの方法で疑似的に作り出された磁場が役立つ場合があります。
具体的な方法や磁性材料の種類については、専門書籍や論文等でご確認ください。